橙/3

「あっ・・・」
不意にふたりの手が重なった。
巴は忽ち顔を赤くして「ごめんなさい」と呟いた。
明良も数瞬固まっていたが謝られたと同時に明るく笑って また蜜柑を集め始めた。
「ね、どうしたの?この蜜柑」
「は、はい。母の実家から送られてきた物で・・・。ご近所にお分けしようと」
「そうかあ。でもいくら何でもひとりで持ちすぎだよ。 あ、おばさん産後の肥立ちが悪いんだったね」
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