橙/2
「巴ちゃん」
大きな荷物を抱えている彼女に明良は声を掛けた。
「明良さま」
びっくりして振り向くと両手に抱えていた蜜柑が幾つかこぼれ落ちた。
「あ・・・!」
巴は慌てて拾おうと屈み込んだ。
おかげで残りの蜜柑達もころころと地面を転がってしまう。
「いいよ、僕がやる」
困った彼女を立たせて、明良は丁寧に蜜柑を拾い始めた。
申し訳なさそうに巴は俯いて、それでも自分も拾おうと白い腕を伸ばす。
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