月下獨酌/10
「でもね、あなたも気付いてるように俺は幾度も幾度も斬ることを 繰り返してるうちに・・・」
浮かぶ幽かな自虐と恍惚と。
「剣に集中しているときだけ、忘れることが出来ることに気付いたんです」
何を忘れるのか、とは赤空は訊かなかった。
何が彼に起きて、何が彼を追いつめているのか、そんなことは知らない。
ただ、最近の緋村が斬り結ぶ度に“例の夢”を頻繁に見ている事には気付いていた。
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