黙秘権・一章/2
由太郎は突進してくる彼の矛先をまたしても避けるために不様に身を捩り、 均衡を崩して転がった。
「そこまで!!」
凛、とした声が響き相手はぐっと右の大腿に力を入れて踏みとどまった。
そのまま振り返り、声を荒げる。
「なんだよ、まだ一本入れてねえぞ!!」
弥彦はうっすら顎まで流れてきた汗を乱暴に拭った。
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