黙秘権・一章/1
びゅっと空を斬る音が耳元を掠めた。
ぎりぎり、というより間一髪。
状況を瞬時に判断した身体が、 その反動を利用して逆に相手の懐に飛び込もうとする。
うまく動けたつもりだった。
それなのに向こうは、逆に此方へ踏み込んでくる。
「・・・ちっ」
相手はおそらく頭で考えてるわけではない。
場慣れした神経がそうさせているのだろう。
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