天の供物・師走/17

彼は叫びたい衝動を抑えるために口元を指で隠した。
そして呼吸を落ち着かせて、踵を返しながら吐き捨てる。
「―――俺は、こわいんです」
からりと障子を開け放して そのまま振り返らずに、冷たい夜の闇に消えてゆく。

しまった、と思った。
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