天の供物・霜月/3

彼女の繕い物の手が、初めて止まった。
彼の口から、いきなりそんな話題が出てくるとは思わなくて、 巴は数度、瞬きを繰り返す。
剣心は彼女のその様子には気付かずに、ぼんやり土間の向こうの木枠を見ながら、言葉を続けた。

「雪は山に積もって、春の水になる。 雪の下で耐えた作物は、上等の味になる。 雪の冷たさを凌いで咲いた花は、綺麗だ」
「・・・・・・」
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