花隠れ・二章/14
「・・・・・」
少しだけ紅く色づいた白い花びらが降り注ぐ。
月と星の明かりしかない闇の中でその樹だけがぽっかりと 浮かんで見えた。
「狂い咲きか・・・」
斉藤は煙草を投げ捨てるとぎゅっと踏みつぶした。
「だがこの山桜が狂っていなければここに 足を踏み入れてこいつを見つけることはなかったな・・・」
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