ことほぎ/13
「君と夫婦(めおと)になった、って師匠に初めて告げた時に、そ
の酒の話をしたことがある」
顔色をひとつも変えないまま、剣心の杯が重なる。
「桜(はな)に月に星に雪。 毎年毎年美しい季節が巡っても、精神(こころ)が荒めば視覚や 味覚も荒むんだ。 それらを愛でることなんか出来やしないんだ。 ―――師匠の、あの時の言葉が・・・やっとここに落ちた」
す、と剣心は右のてのひらを己の心臓の上に置く。
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