ことほぎ/12
巴はなおも言い募ろうとしたが、悪戯が成功してくすくす笑う彼を見て諦めた。
彼の笑顔は、とても愛しくて―――敵わない。
「・・・酒が美味いなんて、知らなかった」
「はい・・・?」
「これでもかなり呑むんだけど。美味いと思ったのは、君に出逢ってからだ」
「そう、ですか」
巴が居住まいを正して、剣心に酒を注ぐ。
元来酒に弱い彼女は、先程の口移しの酒だけですでに目元を桜色に 染めていた。
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