ことほぎ/9
巴は食前酒に、と贈り物の酒を杯(さかずき)に注ごうとして、
途端、匂い立つ芳醇な香りにびっくりしたように、眉を上げる。
「随分きつそうですけど、いつもこれを?」
「ああ、水代わりみたいに。
あの人、化け物だから」
むすっとした表情で、鬱陶しげに言い捨てる。
先程からのそんな剣心の様子が可愛くて、巴は思わず頬を弛めた。
まるで照れくささを隠そうとしているように思えるからだ。
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