ことほぎ/1

忘れるはずもない、大柄の男が。
これ見よがしに紅い縁の、白い外套(マント)をはためかしていた。

「・・・師匠・・?」

こんな派手な出で立ちは、彼以外には有り得はしないのだけれど。
心の底でこの場所に『彼』が居ることを、認めたくなかったらしくて、 裏返ったような声が出た。
さう、と一陣の風が。
彼の重い外套の端を小さく揺らす。
と、長い黒髪がゆっくりと靡き。
「よぉ、バカ弟子」
不敵に、笑った。
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