寄す処/5
「・・・そういわれれば、そうかも知れません。 そんな風に思ったことはなかったのですが」
幾ばくか思考した後、巴はゆっくりと、慎重に言葉を紡ぐ。
今しも。
京(みやこ)では巴の夫が、幾松の恋人の為に剣を振るっているかも知れない。
そんな想像が、巴の意識を支配した。
ひっ迫した情勢は志士側にも幕府方にもこれまでにないほどの 緊張を強いている。
その中で、先頭に立って斬り結ぶ。
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