かすがい/16
ぽろぽろと涙が溢れた。
どうして失念していたのだろう。
彼が笑って。
わたしが笑う。
それだけのことを得る為に、わたし達がどれ程の辛酸を嘗めてきたのか。
―――なんて愚かな。
ぐらぐらと視界が揺れた。
気持ち悪くなって思わず口を手で覆う。
昨夜は殆ど眠っていなかった。
そう思い至った途端、意識が途切れた。
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