天衣/10

これほど近くに居ても剣心の気配は微弱で、自分の吐き出す呼吸音がやけに耳障りだった。
そう思考していると、すっと剣心の体温(ねつ)だけが、また微かに近づいてくる。

「君は、俺の鞘になると言ったけれど。俺の狂気を抑えると言ったけれど。 俺にはそれが必要だと言ったけれど。・・・君は? 君はその白と紫を纏って・・・どうして此処へ?」
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