空蝉/5
剣心は、はにかんだように鼻の頭をさすりながら、言葉を続けた。
「子供の頃、読む機会のある物語って殆ど無くて。 師匠の趣味だかなんだか解らないけれど、『源氏物語』の何帖か が置いてあってさ。 それで蝉の抜け殻見ると連想しちゃうんだよ、『空蝉』を」
「そう、ですか」
「・・・何を視ていたんだ?」
「さあ、解りません。 ただ、胸に、迫ってきて」
「?」
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