空蝉/2

「巴さん?」
いつの間にか背後に立っていた少年は、赤くなってきた首筋の後に 優しく触れる。
「何してるんだ? こんな処に突っ立ったまま・・・」

巴の細い頸椎をすっと掠めて、今度はひとつに纏めてある彼女の髪に指を滑らす。
容赦ない陽の熱を吸い込んだ黒髪は、驚くほど熱くて。
紅く染まり始めた山向こうの色彩と相俟って、妙に艶めかしかった。
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