空蝉/1

足元をじっと見つめたまま動かない。
晩夏とはいえ、まだ夕刻の陽射しすらちりちりと首筋を灼くというのに、動かない。

転がる、小さな茶色い物体。
手足を縮めて、節や筋がくっきり見えているのに中身がもぬけの殻で。
じーじーと低い音でなくあの蝉は、この抜け殻の落とし主かも知れない、と考えながら。
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