邯鄲/15

この男性(ひと)は、こんな声をしていただろうか。
切なげに、苦しげに、そしてとても欲望的だ――

「君が、忘れさせる。
 君が・・・思い起こさせる。
 俺の、『闇』を」

あの宿で、視えない血を洗い流そうとしていた剣心の姿が、 唐突に巴の脳裏に甦った。
『何か』から、彼を引き止めたくて。
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