散り菊/1
さわさわと風が吹き抜けた。
空気にはまだ生ぬるい陽の名残が残っているが、川面を滑る風は 心地よく、汗ばんだ首筋を乾かした。
ちかちかと小さな火花が弾けて、消える。
「珍しいな、手花火か」
「江戸では和紙を撚ったのが多いんですけど。
この辺りは藁を使うんですね」
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