散り菊/1

さわさわと風が吹き抜けた。
空気にはまだ生ぬるい陽の名残が残っているが、川面を滑る風は 心地よく、汗ばんだ首筋を乾かした。

ちかちかと小さな火花が弾けて、消える。

「珍しいな、手花火か」
「江戸では和紙を撚ったのが多いんですけど。
 この辺りは藁を使うんですね」
■次へ
■剣心・巴その3へ戻る

Worksへ