影見/21
「もう、帰ろう。陽があるうちに山を下りないと」
優しく肩に回された腕に、気付かないふりをして頷く。
意識すればするりと離れていきそうだから。
(どちらが影なんだろう―――)
「え?」
数歩その場所を離れかけたとき、不意に聞こえてきた言葉に巴は思わず声を上げた。
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