夢魔/3
女の私では素手で息の根は止められまい。
そう解ってはいても想像するだけで私の背骨に快感が奔る。
苦しみ歪む彼の顔が蒼白くなってゆく様をその寝顔に重ねて。
それでも。
それでもあの人が味わった無念さに比べれば。
心の中で叫んで、両の手にますます力を込めて。
呼吸を求めて喘ぐ彼はその震える手を空に向け、呼ぶ。
「と、も、え――」
■次へ
■剣心・巴その1へ戻る
Worksへ