一章/1

「おまえの役目は・・・」
にっと唇の端をあげて黄色い歯を覗かせる。
「抜刀斎の弱点を探ること、だ」

「弱点、ですか」
やや甲高い自分の声に眉をひそめながら、わたしはその男の顔をみた。
「そうだ、どんな手を使ってもいい。 常に彼奴のそばにつき、その動向を探るのだ。・・・・・・できるか?」
不審そうな色が眼に浮かぶ。
ここはいやだ、空気が淀みきって気分が悪い。 あの人が死んだと知らされた日もこんな空気が私の肺を満たして 吐き出したくて堪らなかった。
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