星が、壊れてゆく音をきいてた。

世界が、崩れていく様をみていた。



けれど俺はそれがわかっていなかった。




・・・・・・・・・あの日まで。









いつからか

全てが俺をすり抜けていくようだった。

俺はただの傍観者で。

観客席に無気力に座っているんだ。







そう、命令があればどこへでも行った。

怪物を斬り、

人を倒し、

この指でトリガーを引き、標的の街を破壊する。





―――でもいつも他人事のようで。

俺は何も感じなかった。





新羅を抜けたのも

ちゃんとした理由があった筈なのに

うまく、説明出来なかった。

・・・・・・思考が上滑りして、まとまらなかった・・・・・・











「お花、いらない?」
こんな時に何をいってるんだ。
そう、思った。
早く避難しないと。でも
「・・・もらうよ」
通り過ぎることが、出来なかった。



「また、会えたね」
甘い甘い花の香。
偶然の再会。
君の笑顔が印象的で。
君の言動に引きずられて、いつもの調子が思い出せなくて。
そうして
急速にオブラート越しの世界が現実になってゆく。

・・・そうだ、俺は感情が揺らぐことを忘れていたんだ。

この戸惑い、この動悸、
君に振り回される、この、心地よさ――――――











世界が

崩れていく様をみていた。



星が

壊れてゆく音をきいてた。









気付かずに生きていた。

・・・・・あの日、君に出逢うまでは。
[FF7 Index]