どうしてだろう?
ずっとそばにいたのは、あたしだったのに。
ちいさなクラウドを知っているのも
ライフストームで迷っているときも
最後の決戦の前の夜も
セフィロスを倒したときも
ずっとずっとそばにいたのは

あたしだったのに。



「わかったような気がするんだ」
エアリスが、古代種が、やがて還る場所―――「約束の地」。
それがあの時わかったとあなたは言った。
「いくのね」
クラウドはなにも言わずに頷いた。
「どこへ?」
「・・・なんていったらいいのかな。
 探しに行くんだ。とにかく。
 心が向かう場所へ」

・・・・・・エアリスがクラウドを呼んでいる場所・・・

「そこがあなたの『約束の地』?」
クラウドは黙ったままだった。
辿り着ける訳がない。
エアリスに―――逢える訳がない。
彼女は死んでしまったのだから。
なのにあなたはいう。

「どんなかたちでもいい。俺は答えをみつける」

どうして?
あたしではだめなの?
「もし・・・答えがみつからなかったら、帰ってきてくれる?」
あたしのところへ帰ってきてくれる?
あたしは待っていてもいい?

クラウドは顔をあげてあたしをみた。









「死んじまったもんをどうやって探すんだ?」
ごつい指がビールジョッキをつかみ、そして一気に飲み干す。
「・・・バレットだって知ってるくせに」
あたしは彼の隣へ座った。
「この星のあちこちに彼女を感じる。
 風に、匂いに、大地に。
 じっとしてられないよ、あいつ」
彼はんんっと唸って頭を掻いた。
「おまえが必死で止めれば、クラウドの奴ここにとどまったんじゃねぇか?」
すぐに返事をせずにあたしはカクテルグラスの縁を指で辿る。
「・・・わからない・・・」
バレットはあごを手のひらで支えると、
聞き逃すくらいの小さな声でつぶやいた。
「ま、女神には勝てねぇよな」



青いカクテルグラスのなかでかたりと氷が傾いた。











・・・・・・わたし あなたをさがしてる・・・

ずっと・・・ずっと・・・さがしてる・・・・・・・・・・・・
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